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松坂大輔~ボストン野球観戦記③~

2年ぶりに見た彼は、進化していました。

・92~94マイルのファーストボール
・89~92マイルのカットボール
・80マイル前後のスライダー
・1球だけ投げた-おそらくほとんどの観客が見逃していた-チェンジアップ

これを駆使して、7回 6安打 5四球 無失点。
一見、結果だけを見ると、制球に苦しみながらもなんとか抑えきる、ここ2年間の松坂そのもの。
でも実際に見た彼は、僕が8年間西武ドームで見てきた彼よりも、ずっと良かった。
ナマで観戦した中では、間違いなく“ベストピッチング”でした。

それは、松坂流に言うと、「試合を支配している」から。

まず、滅多に打たれない。
そして四球をだすのも、制球が乱れるのではなく、丁寧にコーナーをついているから。
そして、走者をだしても、内野にゴロを打たせて併殺打で打ちとる。

西武時代とのちがいは、このテンポの良さ。

西武時代の松坂に僕が抱いていた印象は「悪いなりに抑える」でした。
2ストライクまでは簡単にとれる。
しかし決め球がなく、ファールで粘られる。
そのうち、ボールが増え、球数が増え、結果的に9回を2~3失点には抑えるのですが、130~150球を投げてしまう。
そして決まってでてくる言葉が「今日は悪いなりに我慢して投げられました」
圧倒的な力で相手チームを抑え込んでいるという印象はなかったのです。

それがこの日の松坂は、自分主導で、相手打者を捻じ伏せている印象が強くあった。
本人は「今日は悪かった。我慢できました。」と相変わらずのコメントでしたが(実際にそうだったんでしょうけど)、僕の目には日本時代に見たいつの松坂よりも良く映っていました。
悪くてこの投球なら、普段はもっと良いのでしょう。
それがこの2年間での、松坂大輔の進化なのだと思います。

そして、その進化を感じとれた瞬間。
7回満員の観衆にスタンディングオベーションで迎えられながら、ダグアウトに戻る松坂を見て、胸が熱くなりました。
日本人として誇りに思い、同年代として嫉妬心もあり、そして何よりこの最高の瞬間を見せてくれたことへの感謝の念が強く湧き起こってくるのでした。


試合前、外野でストレッチをはじめる松坂。
まずは2年ぶりに、しかも異国の地で彼を見られたことに感動。
そして目の前のブルペンでの投球練習。
あまりの集中力にひと言も声をかけることができず、一挙手一投足を見守り続ける。
試合開始時のアナウンスにも、鼓動が高まり、
そして見せてくれたベストピッチング。


この旅で最も感動した瞬間であり、おそらく今まで野球を観た中で最も満足感を得た瞬間でした。
この日、この試合を観れたことで、心置きなくボストン旅行を終えることができたのでした。

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